「スロースクール夜間部」は、夜の落ち着いた時間を活かして、暮らしについて、ゆっくり、じっくり、静かに、深める場。仕事が終わって、地元に帰って、くらしに近い場所で学び、つながることで、活動するきっかけをつかむ集まり。ここで、自分たちにふさわしい自由で、気持ちのいい暮らしをいっしょに模索していきます。

１年以上の準備期間を経て、いよいよ「スロースクール夜間部」がはじまります。会場は、東京都国分寺市にある「カフェスロー」。平日の夜の時間に集まって、これからの暮らしや仕事のあり方を考える様々な講座を開催していきます。

人類文明の始まりから一万年。その過程で18 世紀に起こった産業革命は、それまでの人々の暮らしを一変させました。自然との関わりのなかで暮らしてきた私たちは、初めて「分業」と「機械化」という文明の力によって、「便利さ」と「豊かさ」 を手にいれます。確かに自然の恵みを人類が一手に得ることによって、際限のない人間の欲望を膨らますことが可能になり、その結果、物質的豊かさは必要以上に満たされました。

しかし一方で、その「豊かさ」の陰で、かけがえのない多様で貴重な自然が失われていきました。その「豊かさ」は、ややもすると、私たちの日々の暮らしから自然を切り離し、社会や人間同士の信頼をも壊していることを気付かせず、人々が気付いた時には、自然の復元作用さえも奪いかねない危機的状況になりつつあります。

この流れを変えていくには、私たち自身が暮らしのあり方を衣食住という日常から改めて問い直し、自然と共生する暮らしとはどのような生き方なのかを再構成することが何よりも、大事なのではないでしょうか。

そこで、この「スロースクール夜間部」は、暮らしの原点を見つめ直しながら、地球に負荷をかけない生き方、考え方を学びあうことを通して、衣食住のあり方、創り方、関わり方を学び、実践していくための多様な学びの広場として役割を担っていきたいと考えています。